お酒は「酒に酔った時に人は生きる意味、あるいは生きがいに類似した感じを体験」し、「酔い」で充足感、生きる意味、生きがいを感じると言われています。
私は20代後半に差し掛かるくらいまで、毎日平均1日10時間くらいはお酒を飲み、無駄に人と会って、酔って記憶が途切れ途切れだったり中身のない話に多大なる時間を費やしてしまいました。
常々、飲んでいて記憶のない時間は時間の無駄であり、二日酔いになって翌日のスケジュールをすっ飛ばしてしまったり、入院に遅刻したり(笑)、お酒をやめたいと思っていました。
ではなぜ私がお酒をやめられないのか、どうやって上手く付き合っていけばいいのかを今回は分析して書きたいと思います。
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今回の記事のお酒についての説明や見解は酒乱になる人、ならない人 (新潮新書)を参考に書いています。
とても面白いのでぜひ読んでみて下さい。ちなみに電子書籍は今の所発売されていないです(涙)。
お酒を飲める・飲めないとは
お酒の主成分はエタノールです。
吸収されたエタノールは体内全ての組織や臓器に均等に分布され、脳組織にも分布されます。
エタノール分解速度は体重60kgの人で8g/1hで、相対的に見て男性の方が体が大きく体重が多いため、男性の方がお酒が強い人が多く感じます。
お酒を飲む時にアルコールはアセトアルデヒドに分解されますが、下戸の人はアセトアルデヒドは分解に時間がかかるため、少し飲んだだけで顔が真っ赤になったりすぐ気持ち悪くなってお酒が全く飲めなかったり、すぐ飲めなくなったりします。
酒乱タイプ・酒豪タイプ・下戸タイプ
人は遺伝子多型で酒乱タイプ、酒豪タイプ、下戸タイプの3つに分類されます。
下戸タイプ
東洋人の50%は下戸遺伝子を持っています。
飲み始めに顔が赤くなる人は下戸遺伝子ですが、鍛えてアセトアルデヒドを分解できるようになって飲めるようになる人もいます。
しかしこのタイプはどんなに鍛えて飲めるようになっても酒豪にはなれません。
ちなみに西洋人は下戸遺伝子を持っている人がいません。
酒豪タイプ
酒豪遺伝子の人はアルコール分解速度が速いので血中アルコール濃度が上がりにくく、なかなかワイワイ盛り上がりません。
酒豪タイプの中にはお酒は強いけどテンションも上がらないし楽しくないからお酒が好きではないと言う人もいます。
酒乱タイプ
酒乱遺伝子を持っている人の特徴は、お酒を飲む速度が速く、かつお酒で盛り上がり、ブラックアウトを経験したことがあるの3点が揃っている人で、日本人の6人に1人は酒乱です。
ちなみにブラックアウトはお酒を飲んである時点からあとの記憶が消えてしまうことの医学用語です。
ブラックアウトは海馬の障害によって起きていて、新しい記憶(短期記憶)は保存できないのですが、長期記憶は忘れていないため、何も記憶はないけど自宅には帰ってきている(自宅の場所と自宅への帰り方は長期記憶に保存されているので)という事が起こります。
日本人に酒乱が多いのは日本人は社会生活で自由に意見を言えなかったり生活で我慢する事が多いのに反して、「無礼講」と言って宴会では本音を言ってストレス発散でき、多少乱れる事を容認する文化が昔からあるからです。
逆にイタリアなどランチタイムからワインを水のように飲む社会では、人前で酔っぱらう事がマナー違反とされている事が多いです。
だから酒乱を容認する日本は他国に比較すると酒乱が多いのです。
お酒をやめられない理由
私はこの3つのタイプの中では典型的な酒乱タイプで、飲む速度も速く、記憶をなくし、テンションが上がり、しばしば翌日二日酔いになります。
またテンションが上がり過ぎると、これを私は「テンションの前借り」と呼んでいるのですが、翌日酒鬱になる事もあります。
ちなみに酒鬱とは、アルコールの離脱症状で、二日酔いによって精神活動や認知機能が一時的に低下している事です。二日酔いが治れば元に戻ります。
ただ前日テンションが上がり過ぎた代償として酒鬱になった私はいつも思うのです。「もう2度とお酒は飲まない」と。
しかしまたいつも通り飲んでしまいます。
なぜ人にはこんなに学習能力が備わっているのにも関わらず、またお酒を飲んでしまうのでしょう。
人工的な快感を得られる
お酒や麻薬は薬理学的作用によって人工的に快感という報酬を人間に与えてくれます。
脳の中の麻薬に類似した物質をエンドルフィンと言い、元々脳の中で神経伝達物質として働いていて、分泌されると脳内の麻薬受容体と結合して快感を感じます。
この脳内麻薬がお酒を飲んだ時も活発になります。
酒乱タイプの人が酒乱になっている時は脳内麻薬とドーパミンが大量放出されていて、お酒によって快感や充足感で満たされています。
そのため脳内麻薬を求めて私たちはお酒をやめたいと思ってもまた飲んでしまうのです。
これが酷くなるとアルコール依存症と言われるでしょう。
またお酒を飲んだ時と同じように、美味しいものを食べたり応援しているスポーツチームが勝った時や仕事で何かを達成した時に人間は喜びを感じ、結果脳内麻薬を分泌して快感を感じる事ができます。
でもそれらの喜びを日常生活では毎日簡単に起こす事ができません。
だからお酒や麻薬は薬理学的作用により何の努力もなく、簡単に快感を得る事ができるので依存してしまいます。
例えば翌日の朝早くに重要な予定があるとわかっているのに飲み過ぎてしまう事ってありますよね。それは脳がお酒の快感に負けているのです。
酔っ払いのメカニズムがわかると何だかお酒の快感に負けたくない気持ちになってきませんか?
私たちはお酒のような簡単に得られる快感ではなく、社会貢献になる事や努力したり勉強してやっと達成できた喜びで快感を得ようと思うような精神の人間にならないといけないのです。
酒乱の自分とどう付き合っていくか
今は減酒日記と言うアプリに1日どれだけお酒を飲んだか毎日メモしています。
レコーディングダイエットみたいな感じで減酒に効果はあります。
また純アルコール摂取量が40gを超えるとカレンダーに×がついてしまうので、それをできる限り超えないように計算して飲むようにしています。
いくら酒乱の遺伝子を持っていても血中アルコール濃度がある程度上がらないと、ブラックアウトしたりテンションが上がったりしないので、純アルコール摂取量が40g程度(ビール1ℓ程度)であればほぼ素面です(笑)。※ 素面ではありません。
あとは「これだけの多くの時間を浪費している」と自分にプレッシャーをかけるため、年間カレンダーに二日酔いで1日台無しにした日は赤ペンで×をつけています。
目に見えて酒量がオーバーしていたり、時間を無駄にしていると自分にストップがかけやすいので、今度こそお酒と上手く付き合える気がしていますし、年々お酒での大失敗は減ってきています。
また大酒を飲んだり酒癖が悪いのは、その「行動」を容認してくれる環境で長く過ごしているからそれをよしとしてそうなっているのです。
イタリア人が人前で乱れるのがマナー違反だから酒乱が少ないと言うのと同じ理論です。
私の仲の良い友人はほぼ全員酒乱タイプですし(笑)、自分の居る環境は大事です。
もし若い人が読んでいるなら、深酒したりお酒で暴れる癖はつけない方が絶対に人生得だと思います!(当人比)
(余談)嫌酒薬って知ってる?
私はお酒で大失敗して酒鬱になる事がしばしばあったためお酒をやめようとして、シアナマイド内溶液と言うお酒を飲むと具合が悪くなってお酒を嫌いにさせる嫌酒薬(禁煙薬と同じ感じ)を飲んだ事もあります。
しかしお医者さんに「あなたくらいお酒が強いとこの薬を飲んでもお酒飲めちゃうかも」と言われ、その通りで服用してもお酒は普通に飲めました。
でも普通の人はこの薬はとても効くらしいので、アルコール依存症の疑いがあって物理的にお酒を辞めたい人はぜひ病院に行って服用してみて下さい。
まとめ
✔️ 日本人に酒乱が多いのは「無礼講」文化があるから!
✔️ お酒は人工的に人間に快感を与えてくれる!
✔️ 私たちはお酒のような簡単に得られる快感ではなく、社会貢献になる事や努力したり勉強してやっと達成できた喜びで快感を得ようと思うような精神の人間にならないといけない!
✔️ できる限り酒乱を発動しないで生きたい!(切実)
NANA #18
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